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ジュラコンとMCナイロンの違いを徹底解説|材質特性と加工適性で選ぶポイント

ジュラコンとMCナイロンの違いを徹底解説|材質特性と加工適性で選ぶポイント

「ジュラコン mcナイロン」と検索している方は、樹脂部品の材質選定や加工方法の違いを知りたい場合が多いです。本記事では、ジュラコン(POM)とMCナイロンの基本特性、加工性、耐久性の違いをわかりやすく解説し、用途に応じた適切な樹脂選びのポイントまで詳しく紹介します。

ジュラコン(POM)とは

ジュラコンは一般名でポリアセタール(POM)として知られるエンジニアリングプラスチックです。高い剛性と耐摩耗性を持ち、摩擦係数が低いためギアや摺動部品などの機械部品に幅広く使用されています。耐熱性や耐薬品性にも優れ、寸法安定性も高いため精密部品に適しています。

ジュラコンの主な特徴

  • 引張強度:約60〜70MPa
  • 耐摩耗性:高
  • 耐熱温度:約100〜120℃
  • 吸水率:0.2〜0.3%(寸法変化が非常に少ない)
  • 加工性:切削性良好、精密加工に適している

MCナイロンとは

MCナイロン(モディファイドキャストナイロン)は、キャスト法で製造されるナイロン樹脂を改質した材料で、耐摩耗性や耐衝撃性に加え、吸水率が低く寸法安定性も向上しています。ギアや摺動部品、軸受など高負荷部品に使用されます。

MCナイロンの主な特徴

  • 引張強度:約75〜85MPa
  • 耐摩耗性:非常に高い
  • 耐熱温度:約130℃
  • 吸水率:0.3〜1%(寸法変化が少ない)
  • 加工性:柔軟で切削性良好、タップ加工も可能

ジュラコンとMCナイロンの違い

ジュラコンとMCナイロンはどちらも機械部品に使われる高性能樹脂ですが、材質特性や加工適性に違いがあります。以下の表で比較するとわかりやすいです。

項目 ジュラコン(POM) MCナイロン
剛性・強度 高い 非常に高い
耐摩耗性 非常に高い
寸法安定性 非常に高い 高い
耐熱性 100〜120℃ 約130℃
吸水率 0.2〜0.3% 0.3〜1%
加工性 切削・タップ加工容易 柔軟で切削・タップ加工可能
代表用途 ギア、軸受、精密部品 ギア、摺動部品、軸受

材質選定のポイント

ジュラコンは寸法安定性が非常に高く、精密な部品や高回転部品に最適です。一方MCナイロンは耐摩耗性と耐衝撃性が高く、負荷のかかるギアや摺動部品に向いています。使用環境や加工条件に応じて材質を選択することが重要です。

加工性と注意点

両材質とも切削加工やタップ加工が可能ですが、注意点があります。

ジュラコンの加工注意点

  • 硬度が高く、切削時の刃先摩耗に注意
  • 発熱による変形を防ぐため、切削速度は適正に設定
  • 精密部品の場合、寸法精度を確保するため切削後の応力除去が有効

MCナイロンの加工注意点

  • 柔軟性があるため切削中のバリや変形に注意
  • タップ加工時は切粉排出を意識すると精度向上
  • 寸法変化は小さいが吸水率が若干あるため、設計時に考慮

まとめ

ジュラコンとMCナイロンは用途や求められる特性によって使い分けが必要です。精密で寸法安定性が重要な場合はジュラコン、高耐摩耗・高耐衝撃が必要な場合はMCナイロンが適しています。加工性はどちらも良好ですが、特性に応じた加工条件を選ぶことが部品の品質向上につながります。

よくある質問(FAQ)

Q1: ジュラコンとMCナイロンの耐摩耗性の違いは?

ジュラコンは摩擦係数が低く耐摩耗性も高いため、ギアや摺動部品に適しています。MCナイロンはさらに耐摩耗性が高く、高負荷部品に向いています。

Q2: どちらの材質がタップ加工に向いていますか?

両材質ともタップ加工可能ですが、ジュラコンは硬度が高く切削工具の摩耗に注意が必要です。MCナイロンは柔軟性があり、切粉排出を意識すれば精度良く加工可能です。加工条件を調整することでどちらも高精度に仕上がります。

Q3: 使用コストはどちらが高いですか?

一般的にジュラコンは精密部品向けで高価ですが、MCナイロンは耐摩耗・耐衝撃性の向上により若干高めです。コストだけでなく用途や耐久性、加工性を総合的に判断して材質を選ぶことが重要です。

Q4: 精密部品にはどちらを選ぶべきですか?

精密部品や寸法安定性が求められる部品にはジュラコンが適しています。MCナイロンも寸法安定性は高いですが、より高負荷や摩耗に耐える部品にはMCナイロンが有利です。

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