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MCナイロンMC901の特徴と用途を徹底解説|標準MCとの違いと物性データ

MCナイロンMC901の特徴と用途を徹底解説|標準MCとの違いと物性データ

MCナイロンMC901は、機械部品や摺動部材に幅広く使われるエンジニアリングプラスチックの代表格です。
この記事では、MC901の特性、標準MCナイロンとの違い、主な用途、物性データを詳しく解説します。

MCナイロンMC901とは?

MCナイロンMC901は、三菱ケミカルの「MCナイロンシリーズ」の中でも最も一般的なグレードであり、標準MCナイロン(MCナチュラル)に比べて耐摩耗性と靭性が強化されています。
製造方法はモノマーキャスティング法(Monomer Casting)で、ナイロン6を原料とし、高分子量化と高結晶化により高い機械強度を実現しています。

標準MCナイロンとの違い

特性項目 標準MCナイロン MC901
ナチュラル(乳白色) 青色
耐衝撃性 中程度 高い
耐摩耗性 良好 さらに優れる
自己潤滑性 標準 高い
機械加工性 良好 良好

MC901は特に摺動や衝撃負荷の多い部品に適しており、ギアやベアリング、スライドプレートなどに多用されます。
MCナイロンの基本特性については「MCナイロンの特性に関して解説」で詳しく解説しています。

MC901の主な特性

MC901は「機械的強度」「耐摩耗性」「自己潤滑性」「耐薬品性」のバランスに優れています。
以下に主な特性をリストでまとめます。

  • 高強度・高靭性:衝撃負荷や曲げ応力に強く、金属代替材として使用可能。
  • 耐摩耗性:摺動部品でも摩耗粉が出にくく、長寿命化を実現。
  • 低吸水性:寸法安定性が高く、湿度変化のある環境にも対応。
  • 自己潤滑性:潤滑油なしでも滑らかな動作を維持。

MC901の物性データ

代表的な物性値は以下の通りです(参考値:三菱ケミカルデータシートより)。

項目 単位 MC901
密度 g/cm³ 1.15
引張強さ MPa 80
曲げ強さ MPa 120
アイゾット衝撃強さ kJ/m² 6.0
耐熱連続使用温度 100

より詳細な物性基準は、JISの工業材料規格にも準拠しています。

MC901の主な用途

MC901は高強度かつ耐摩耗性を活かし、以下のような用途で使用されます。

  • ベアリング・ブッシュ
  • ギア・スプロケット
  • ローラー・スライドガイド
  • 機械カバー・緩衝プレート

特に、金属代替を目的とした軽量化設計に多く採用されています。

よくある質問(FAQ)

Q1. MCナイロンMC901と標準MCナイロンの主な違いは何ですか?

MCナイロンMC901は、標準MCナイロンと比較して耐衝撃性・耐摩耗性・自己潤滑性が向上しており、特に摺動や衝撃が多い環境に適しています。青色で識別され、ギアやベアリングなどの部品に使用されます。
MCナイロン全般の特性については、MCナイロンの特性に関して解説で詳しく解説しています。
また、材料規格についてはJIS K6920-1を参考にすると理解が深まります。

Q2. MC901の耐熱性はどの程度あり、どんな環境に適していますか?

MCナイロンMC901は、連続使用温度が約100℃まで対応可能で、摺動部品や機械カバーなどに広く使われます。耐熱性と機械強度のバランスが良く、金属代替材としても優秀です。

Q3. MC901はどのような用途に使用されますか?

MC901は高強度・耐摩耗性を活かし、ギア、スプロケット、ローラー、ベアリングなど、摺動や衝撃を受ける部品に最適です。

まとめ

MCナイロンMC901は、標準グレードよりも耐衝撃性・耐摩耗性・自己潤滑性に優れた多用途型ナイロンです。
機械部品から自動車、食品機械まで幅広く利用され、エンジニアリングプラスチックの中でも信頼性が高い素材です。

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